短い夜

先日の飲み会についてまた書いてみるのだけど、とある日、北は仙台・南は岡山から人々(4人)が集結して京都タワーにある居酒屋へ向かうことになっていた。当日朝、飛行機から降りて駅へ向かうシャトルバスの中で友人に「そろそろつくよ」的な連絡を入れると、「僕は〇時に駅につくよ」「なんか すごい…速い?よくわかんないけど すごい速いやつに乗ってる」「走ってると短い夜みたいな時間がある」とのこと。詩的。あ、新幹線知らない人だ、と懐かしいノリに興じて「たぶんお金を入れたら飲み物が出てくる光る箱もあると思う」と返信すると「それは自動販売機だろ」「馬鹿にしないで欲しい」。それは知ってるんだ。なんやねんその挨拶。

さて無事に京都駅に降り立ったところでスマホが震えた。上司からの電話だ…。嫌すぎる。無視しようかと1秒くらい考えたけど仕方なく出ることにした。イヤホンで会話しながら先ほどの友人に「少し遅れる」と連絡を入れると、「駅の出口を間違えた」「××も遅れるらしい」とのこと。しっかり者の残る一人に何かあれば全員遅刻するかもしれない。目的地は京都タワーなのに。駅から見えてるとこなのに。ウケるね。

私は電話をしてたので知らないけれど、連絡を取っていた友人としっかり者の友人は無事に合流して店内に入れたようで、お店に迷惑をかける事態は何とか避けられたぽかった。本当に良かったよ!!!!!!上司との話を終えて急いでお店に向かうと、入り口の前に先ほど遅刻するかもと言われていた××がいる。遠目から見ても分かる感じで立ちつくしていたから(何してんだ…?)とちょっと笑った。どうしたのかと問うと「お店の人に聞いてみたら…予約入ってないって言うから…」。どうやら誤った予約名を店員さんに伝えたために、誰とも合流できずに茫然としていたようだった。なんで誰にも連絡をとらないの???なんで???という思いは消えなかったけれど、いやまぁこういう不器用な人だったなと思い出してまた笑った。いいよいいよ一緒に行こうね。ちゃんと入れるからね。お店の人に正しい名前を伝えたら、やっぱりちゃんと入れた。

全員が合流してやっと乾杯して、結局3軒はしごした。びっくりするくらい楽しかった。飲み会が始まるまでのことをこうしてつらつら書いたのは、なんて言うか、こういう些細な出来事が私にとってのハイライトで、よく遊んだ当時との変わらなさがすごく居心地よかったからだと思う。あと飲みすぎて途中からあんまり記憶がないのもありますワハハ。でもそのくらい良い会だった。こういう何か"目印”みたいなものをたくさん作って生きていけたらいいなぁと思う。仕事でミスをした自己嫌悪も、日々の家事や育児にフラフラになって「誰か助けてくれ!」と思う夜も、喧嘩をして苛立つ感情も、全部しあわせなことだけれど、手放しで無責任にガハハと笑って過ごす時間が、そういう真っ暗な瞬間を薄めて昇華してくれるようにも思えた。人は誰かと間違いなく関わって生きていて、大人になるほどその関わりが色んなことを縛ってくるけれど、たまには無責任に"ただの人”になったっていいよね。そうしてニコニコして、また戦闘の日々に戻っていくんだから。俺たち大人はそうやって生きてんだぜ、頑張って生きてこうぜ。